2013年12月28日土曜日

2005~2007年くらいに入社した代理店の人達が辞めだしている。


最近総合代理店の友人で転職しました、独立しましたという連絡を受けることが多い。

特に入社後大体5〜7年くらいの、ちょうどこれから中堅で現場をガリガリ仕切っていく立場になった人に多くなっているように思う。

ちょうどこの世代ってリーマンショック前の最後の代理店の春(売上でいうと前年比100%を越えていた。広告宣伝費も6兆円を突破していた時代)を謳歌していた最後の年代で、入社した時には割と景気の良い昔話を上司から聞かされていた世代だと思う。

その後2,3年で「あれあれ?」というほど業績が下降を続け、リーマンショックでトドメを刺された。 

先輩や上司がどんなに夢を語っていても「いやでも現実はさ。」とかなり冷静に状況を見てきた世代だと思う。

入社したばかりの2,3年はとりあえず必死で働いてみるのだが、5,6年も経ってきてだいぶ現実的な状況がわかってくると、

・このままこの会社で頑張る
・ある程度代理店ビジネスに見切りをつけて転職するか独立する

というところでビビッドに判断が分かれている世代なのだろう。

新しい道に進むことは悪く無いと思うし、代理店で培ったマーケティングスキルは前のエントリでも書いた通り、他業界では重宝される部分も多分にあるので(もちろんある程度磨かれている必要があるけれど)、僕は30前後の中堅社員がどんどん他業種に流出していったり、独立するのは良いことと思う。

もともと代理店は非常にスペックも高く発想が豊かなのに、こう言ってはなんだけど、配属された部署で不遇を味わっている優秀な人も多いと思うし。

そんなことを考えていた年末でした。





2013年12月27日金曜日

広告代理店に入社するのですが、インターネット以外の部署でもメリットはありますか?(読者さんからの質問 その3)



皆さん

メリークリスマス! メリクリ!

ということでクリスマスはインドネシアで過ごしたキャシーですが、見事に腹をくだしてしまい、メリークルシミマスでした(こっち見んな)。

久々の更新ですが、今回も非常に興味深い質問をいただきましたので、回答させていただこうと思います。


【質問】

私は来春広告代理店に入社するのですが、インターネット事業部を志望しようと思っています。
インターネット事業部が最適な選択肢だと考えている理由は、新規事業を立ち上げるにしても、小資本で始めるため、広告を打つときは、インターネットがメインになるだろうということで、知識、スキルが活かしやすい。海外に行ってもインターネット広告の知識スキルは汎用性があるのではないかと考えているためです。

そこで、質問なんですが、大きなクライアントを担当し、大きな予算でテレビ広告などを作ることに携わることは、インターネット事業部で身に付く実用的で汎用性のある知識・スキルよりメリットがあるでしょうか?
また、マーケティング事業部が良いなど、私の考えている選択肢以外でより適当な選択肢がいいとお考えになる場合は是非教えてください。




【回答】

非常に鋭い質問をありがとうございます!
早速ですが回答させていただきます。

まず質問者さん自身が「今後どういうキャリアを積んでいきたいか」というところが肝要になるわけですが、新卒の間から自分のキャリアについて明確な答えを持てる人なんていないわけなので、まあ現時点で決めておく必要はありません。 

また日系企業の場合は部署志望を出したとしても人事上の都合で「まったく興味のない部署」に配属されることもあります(でもそこが本人からしたら良い部署になる場合もあるよ)。 なのでまずは「与えられた部署で1番の成績を残しつつ」、「会社や業界の構造がわかってきたら社内で別のプロジェクトにjoinしてみる」という意識を持っておきましょうということが、大前提としてお話しておくべきことと思います。


さて、キャリアについてなのですが、結論から言うと、

大きなクライアントを担当し、大きな予算でテレビ広告などを作ることに携わることは、インターネット事業部で身に付く実用的で汎用性のある知識・スキルと同様にメリットがあります」。

ここでいう「大きな予算でテレビ広告などを作ることに携わること」という範囲では狭い領域になるのですが、より広い視点で、

「大きな予算を使って企業のコミュニケーションを包括的にプランニング・実施した経験があることは後々貴重になる」

ということは言えると思います。

キャシーが総合代理店から外に出てみてわかったことですが、企業コミュニケーションをテレビなどを含めてトータルにプランニングしたことのある人材はマーケットにおいて非常に少ないのが現状です。それもできればクリエイティブやマーケティングといったスペシャリティな部署よりも、「営業」や「クロス・コミュニケーション」といった、メディアや施策全体を俯瞰してハンドリングできるような部署がいいのではと思っています。

ただ、それだけではこれまでの代理店社員と同じなので、是非是非デジタルの知識・スキルも身につけていってください。
マスの広告をやりながら、特に若い人であれば率先して、その包括的な施策の中でデジタルの施策を手を挙げてやらせてもらい、例えば営業やコミュニケーションプランナーとして、代理店が今後取り組んでいかなくてはいけない「新しいデジタルの施策」についてチーム内では誰よりも知っている・経験がある、といった立場になることをオススメします。

先ほど「人材が少ない」と申し上げましたが、そうしたマスの経験も積んで、かつデジタルのことを話せるような人間は、代理店はもちろんですが、「代理店の外でも」非常に貴重な人材になります。

ただ仰るとおり、海外に行けばマス広告の展開などは日本とはまったく環境も事情も違うので、そういう意味ではインターネットの部署で汎用的なスキル・経験を積むことは確かに必要だと思います。要はキャリアの選択次第で志望部署を変えるべきだということですね。

まとめると、

・日本国内でキャリアをまず積んで、マスキャンペーンへの造詣も深くかつデジタル施策についてもわかっていて、国内で次のステップアップを狙うのであればまずは営業やクロス・コミュニケーションなど全体の統括が担える部署に。

・速攻で海外に言って新しいことに取り組んでいきたいのであればインターネットの部署


なのかなぁと思います。ただこれは結論のない議論なのでなかなか難しい問題です。

特に大きな総合代理店であれば海外にいける人間もやはりマス広告経験者が圧倒的に多いのが特徴です(総合代理店におけるデジタル系人材はそもそも日本国内での需要が逼迫しているので、海外に行く人をあまり知りません)。

仮にキャシーが今絶対に広告代理店に入社しなければならないという状況だとすると、まずはマス関連の広告を包括的にプランニング・実施する部署に言って経験を積むかなと思います(そもそもそういう仕事ができるのって総合代理店でしかできない醍醐味だったりするしね)。そういう部署は社内の各部署の仕事内容や機会について俯瞰できたりもするので、そこから自分に合った部署に数年後に異動希望を出すのがいいかなと考えます。


散文的な感じできちんとお答えできていないかもしれませんが、ご参考までに!



2013年10月3日木曜日

広告代理店に入社する人って、どれくらい「広告が好き」なんですか?  (読者さんからの質問その2)

こんにちは、キャシーです。本日も読者さんからの質問にお答えします。




【質問】
はじめまして、現在大学3年生です。ブログ楽しく拝見させて頂いております。

ちょっと前に、カンヌの受賞作を見始めたのですが、
カンヌの受賞作を見て、感動を覚えました。先日とある広告代理店のインターンシップの選考を受けてきたのですが、みんなカンヌを知らなくて少し不安になりました。

実際の話、広告代理店で広告好きってどのくらいいるんでしょうか
(広告好き:世界の広告賞を一通り知っているような層)

それと、日本だと主に電通の受賞が多いような気がしますが、現場の感覚では、カンヌなど広告賞はどのように見られているのでしょうか?

よろしくお願い致します。



【キャシーからの回答】


カンヌの受賞作、いいですよね。
僕もDoveのEvolutionっていうCMを見た時は鳥肌が立ったのを覚えています
(2007年くらいだったかな・・?)

広告代理店の広告好きがどれくらいるのか?という話ですが、
僕の印象だと、「広告賞を取った作品まで結構知っている」という人は
一部の人達、特に「クリエイター」と呼ばれる人達に多かったように思います。
それ以外の人は実はほとんど広告知らなかったりっていう人も新卒ではいたりしますね。いや、おじさんの方がクリエイティブの受賞作とかを知らない人は多いかな・・・・


原因は2つほどあると思うんですが、

1つ目は、
やっぱり未だに広告の仕事って「なんかよくわかんないけど楽しそう」「給料が良さそう」という理由で入ってくる学生も多いのですね。
広告が大好き!ってワケじゃないんだけど、めちゃくちゃ頭良いし、学歴も立派だから、するするっと採用を通っちゃう様な人。
そういう人は基本的に「ビジネス」としての広告業については興味あるけど、あまり広告「クリエイティブ」のカンヌがどうこう、っていう話は全然知らなかったりします。

2つ目は、
広告の仕事って外から見ると非常にクリエイティブな仕事に見えるんですが、
実は「カンヌに出すような広告を作る広告クリエイター」っていうのは会社の中でも非常に僅かな人達なんです。
というのも、広告の仕事って「広告を作る=クリエイター」の仕事以外にも、


営業部→お客さんとの予算管理を調整してチームを動かす人
メディア部→お客さんの広告を載せる媒体を買い付ける人
マーケティング部→お客さんへの提案のロジック・ストーリーを考える人
プロモーション部→イベントなんかを取り仕切る人
デジタル部→インターネットのプロモーションを考える人
クリエイティブ部→実際にお客さんの広告を「作る」人(絵を描いたり、コピー考えたり、撮影したり)

なんていう感じで、大半の人達はクリエイティブ部の仕事じゃない人達なんですね。

カンヌとかって、あくまでも「クリエイティブ」に特化した(まあ最近はそうでもないんですが)賞なので、カンヌの主役は「クリエイター」の人達なんですよ。そうすると他の部署の人達は、まぁ自分が手がけた仕事が賞とったら営業部の人もマーケティングの人も嬉しいですけど、他のカンヌ作品まで全部知っておこう!ってほどモチベーションは高くないですよね。


あとカンヌで賞取ることがどう見られるかっていう部分ですが、
クリエイターにとってはめちゃめちゃ重要です。これで人生の稼ぎ金額が変わるっていうくらい大事なものです。


なんでだと思いますか?


たとえば、質問者さんもよくこういうこと思いませんか?


「テレビでやってるダメダメなCMなんかより、自分の方が面白いCM絶対に作れるはず!」


つまり、それくらいクリエイティブって「スキルや実績が数字や目に見えない」から「曖昧」なところがあるわけです。


じゃあお客さんって、誰に広告クリエイティブを発注するべきなんでしょう?


カンヌで賞取った人と、何も賞がない人。
朝日広告賞取った人と、何も賞がない人。
ヤフークリエイティブアワードで賞とった人と、何もない人。


そりゃ前者のクリエイターにお願いしよう、ってなりますよね。
なので、クリエイターにとって「賞」っていうのは仕事を呼び込むために
めちゃめちゃ重要なのです。

売れないクリエイターは厳しいことを言うと、大手代理店に勤務してるのになかなか仕事の案件がない、みたいになる人もいるわけです。


長々となってしまいましたが、そんな感じですね。

ただ最近はお客さんもシビアになってきていて、
広告を作って感動させるだけでいいのか?ってなってきています。
広告の目的ってあくまでも最後はモノを買ってもらうためにやるわけなので。

そういう意味で、最近はインターネットを使った広告クリエイティブが注目されています。 昔ながらのクリエイターの人達はネットがよくわからないので、ここがわかるっていうだけで結構重宝される時代に入ってくると思いますよ。 


以上、少しでも参考になれば嬉しいです!

2013年9月28日土曜日

言われたことをだけを完璧にやるか、ガンガン意見をぶつけるか。 (読者さんからの質問 その1)

お久しぶりです、キャシー松川です。
非常に嬉しい事に、何人かの方からメッセージをいただきました。

とても良い質問をいただいたので、こちらで公開させていただきますね。


【質問】
いつも楽しく拝見させて頂いております。
今もろもろ大手広告代理店に常駐している者です。
単刀直入にお聞きしたいのですが、「言われたことだけを完璧にやる会社」と「企画からがつがつ入って意見をガンガン言う会社」どちらが代理店側から見て扱いやすいまたは仕事しやすい会社だと思いますか?

きゃしーさんのご意見が聞きたく思わずメールさせて頂きました。

よろしくお願いいたします。





【キャシーからの回答】
キャシー松川です、メッセージいただきありがとうございました!

・言われたことだけを完璧にやる会社
・意見をガンガン言う会社

どっちがいいのか、非常に難しいですよね。



と、思いきやそんなに難しくありません。



私の結論を先に言うと、意見はガンガン言っちゃってください。



自分が総合代理店にいる時に思ったことは、

「発言しない奴は会議にいても時間が無駄だ」ということでした。

長ったらしい会議で時間の帳尻も決めずにダラダラ10人くらいが集まって行う会議、しかも発言するのはそのうち3,4人だけ、みたいな会議が本当に嫌いでした。


意見を言うのは怖いかもしれませんし、ロクなリサーチもせずに言ったおかげで面倒なおじさんから「だまっちょれ!」と言われることもあるかもしれません。


でも、言わないより言ったほうが仕事楽しいじゃないですか。
例えそれが実現するかしないかは置いておいて、「もっとこの企画を良くしよう」「もっとこうしたらいいんじゃないか」という意識を持ってる人を排他的にみるような人がいるとしたら、そんな会社は長くいることはやめたほうがいいのかもしれませんし


ただ、言い方にだけは気をつけたほうがいいとは思います。

誰でもそうですが、頭ごなしに何かを否定されるとやっぱり嫌な気分になったりするので、実は結構テクニックもいる作業だったりします。

参考程度に、意見をいう時は以下のことを、守ってみていただくと、うまくいくと思います。


・まずは相手の意見を褒めてから自分の意見を言う。

 →「それすっごいいいですね! ・・・ちなみに、追加でこういうこともしたらもっと良いと思いませんか?」


・自分の感性ではない第3者のデータなり意見を話に入れてみる

 →「こないだ雑誌見てたらこういう記事が掲載されてたんですよね。。ていうことは、このターゲットって意外とAよりBの方が大事だと思ってるんじゃないでしょうか・・?」


・否定する時は”必ず代案を出す”。

 →「うーん、それはちょっとどうかと思います。それよりも、ほら、こういう風にやったらもっとよくなると思いませんか?」


意外と意欲のある若い人に限って、上記のことができないばかりにくだらない上司からコラー!とかって怒られてしまうこともあるので、うまくやってみてください。



自分の意見。話せるようになっておくことは絶対大事だと思いますよ。
今後のキャリアに必ず生きてくると思います。

でも、言いたいことを言うのって実は簡単なんです。
本当に難しいのは、周りにまずは同調し、しかしゆるやかに説得しながら、さりげなく、最終的には「(実はこいつの意見が一番的を得てるんちゃうやろか・・)」と皆に思わせること。それができたらそれが最高ですよね。


外資系の会社でもこういう能力は求められますし、
質問者さんが将来マネージャー職になる時もこのスキルは絶対役立つと思いますよ!



以上、少しでもご参考になれていれば幸いです。

周りの仕事仲間の方たちに、良い刺激を与えてあげてくださいね!

2013年8月14日水曜日

電子書籍業界は今後寡占化が進むのか?


おはようございます、キャシーです。

昨日はお客さんと会食でした。
某電子書籍サービスのお客さんだったのですが、ここ数年で市場が変わりつつ有るという話で盛り上がりました。

元々日本の電子書籍サービスはその売上の8割以上がアダルト、いわゆる「エロ漫画」の分野でして、ガラケー時代にはそうしたサービスをiモードビジネスで提供する会社がもの凄い成長を遂げていたわけです。

市場としても下記の通り、昨年は729億円と前年から100億円の伸び幅を記録しております。




確かに最近電車の中でも電子書籍読んでる人増えてきましたよね。


ところが問題はこの「100億円の成長」をどこがかっさらっていってるのか?という問題なのですね。


市場の伸びを牽引しているのは間違いなくエロ漫画ではなく、いわゆる”ブラックジャックによろしく”や”進撃の巨人”などを中心とする「一般コミック」、あとはビジネス書や小説などの「一般書籍」となっています。


昨日話をしていたお客さんも市場の伸びは実感しているのですが「思ったよりも自分の会社の売上が増えない」と言っていました。

市場が伸びているのになかなかそれを実感できないと言うのですね。


理由としてはいくつか考えられると思いますが最も可能性の高いものとしては


・100億円の伸びは限られた数社によって握られている


というところではないでしょうか?



現状はキングジム、FC2、任天堂など本当に多くの企業が電子書籍事業に参入してきていますが、プレイヤーが多くなるばかりで実は「コンテンツの差異化ができない」というのが事実なのですね。


つまりAという電子書籍サービスで買った本がBというサービスでは買えない、ということがほとんどないのが電子書籍事業なわけです。

コンテンツ供給側の出版社や作者は「売れればどこで売ってくれてもいいよ」というスタンスなのは当然なので、そうすると自ずと既にユーザーを抱えている電子書籍サービスが独占的に事業展開することが可能となるわけです。



もちろん、その最前線にいるのがアマゾンのKindleには間違いありません。



これまでガラケービジネスから派生してスマートフォン等でも電子書籍サービスを始めた会社などは、元々が「コミック主体」のビジネスでした(その中でもエロ漫画が牽引していたのは前述のとおり)。  

そこにアマゾンのような一般コミック、一般書籍をメインに打ち出して、しかも既存のアマゾンサービスからのユーザーを囲い込んでいる状態。

しかもKindle使ってことある人は知ってると思いますが、「Kindleストアはエロ漫画の品揃えも豊富」です。


こうなってくるとユーザーからしたら


「Kindle使ってりゃえーやん。」


となってしまうわけですね。




電子書籍業界は伸び調子と叫ばれていて、2012年がいよいよ本格化する「電子書籍元年」の正式な年になったと言われていますが、ここ1~2年で一気にサービスの「勝ち・負け」がハッキリしてくることでしょう。


日本勢の動きが遅きに失した結果、こうした事態になってしまったのはある意味では当然なのですが、ユーザーからしたら国産サービスだろうが海外サービスだろうが便利で使いやすいサービスに傾倒するのが当然。 

既にアマゾン独り勝ちの様相を呈してきた電子書籍業界。 
日本勢にいたってはいつまでも「アマゾンとうちは違う」という論調を張ってはいるものの、どうにも形勢が大きく変わるのが2013,2014年となるのは間違いないでしょう。











2013年8月13日火曜日

質問フォーム作りました

キャシーです。


ページの右側に送信フォームを作りました。

広告代理店・ウェブマーケティング界隈で聞いてみたいことがあればなんでも送ってください。


・就職活動どんなだった?

・ぶっちゃけ転職して年収あがった?


などなど、なんでもOKですよ~


2013年7月27日土曜日

「記者」と呼ばれる人達は何か勘違いをしているんじゃなかろうか。

最近マスコミ関連、特に新聞メディアの横柄な態度に疑問を抱く記事がよく出ていますね。

 ホリエモンが朝日新聞記者にツイッターでキレる 取材途中で帰ってしまい「どんだけ偉いんだ」

朝日新聞の磯貝記者が選挙演説中にトラブル 「俺を誰だと思ってるんだ。朝日新聞の政治部の磯貝だぞ!」 → 映像撮られた瞬間ペコペコ




まぁなぜか朝日新聞の記者ばかりがクローズアップされているわけですが。
朝日はこういう傾向が強いんでしょうか。

キャシーも以前、ある上司に連れられて週刊朝日の女性記者とディナーを一緒にしたことがあったのですが、その時はちょうど民主党が政権を取った直後でまぁ若干政治関係の話になったんですね。そうしたらその女記者が


「民主党、あんなの絶対私達が潰しますから。あいつら潰すためだったらなんでも書きますからね。」


なーんて言うわけなんですね。 
週刊朝日なんていう零細な弱小メディア(といっては失礼かもしれないですが)のいち記者でもこんなことを言うなんて、マスコミの特に報道や記者関係の方々の勘違い具合というかイタさってすごいなー、と思ったわけです。

恣意的な偏向報道を自認しているくせにネットメディアが台頭してくると

「新聞がネットと違う最大の部分は情報の信頼性だ。」

なんて言うわけなんで、もう笑いが止まらなくなってくるわけです。




というわけでキャシーの記者嫌いネタでした。
あ、SPA!は大好きなので定期購読しています。


2013年7月23日火曜日

「皆が同じ格好するんだよ」と某広告代理店の友人は言った。




 昨日某広告代理店に勤めている友人とお酒を飲んでいたのだけれど、友人曰くあまり好きになれない社内の雰囲気の一つに「若手〜中堅の男性社員が没個性」だということがあるとのことだった。

どういうことなのか聞いてみると、例えば「ワイシャツは○○のやつじゃないと体にフィットしなくてさ〜」とか「時計はやっぱパネライでしょ」といった、「こうしてる奴が一番イケてる」みたいなものに群がる一定数の同年代層が非常に多いから、ということだった。

中学の頃にキャシー世代だと、ナイキのエアマックスをこぞって買いに走ったりたまごっちなんかで皆遊んでたものですが、友人曰く「30前後になっても未だにそういうのをやってるのがキモい」ということだった。

まぁ広告代理店はある種そうやって見た目を着飾って、でも裏ではめちゃくちゃ大変な業務をこなすというところに美徳を感じる業界でもあるからいいんじゃないかね・・と思ったのですが、キャシーとしても30前後になって未だにそういうのを個人の楽しみではなく、周囲に同化するために無理やり合わせているような人がこの時代にまだいるのだな・・というところになんとなく古めかしいものを感じてしまった。


そんな時に数日前にこんなエントリがあったのを思い出したのですが、

俺たちが歩む道


まぁなにかというと田舎に住んでいる友人たちと再開したら彼らは閉鎖的な社会の中で幸せそうに生きていていいなぁ・・・遠くエリート街道を進んでしまった俺にはもはやそこに戻ることはできない・・でも彼らは彼らで幸せであるし、俺には俺の幸せがあるのだ・・。

という、まぁ、キャシー的にはこの人が「ふぅ、俺もここまで来ちまったか・・」と自己陶酔に浸りだけなんじゃないのという感想でしたが。


このエントリは地方のDQNのことを言っていたわけですが、はっきり言って「同じ世界で共通の価値観で生きている集団」という括りではこのエントリのDQN集団も、友人の広告代理店にいる集団も変わらんなーと思いまして。


高学歴で一流企業勤めてても、日々接するのはその高学歴で一流企業に来た人間ばかりなわけなので、「高学歴で一流企業勤めてる人なりの価値観」で形成された集団で生きているわけですな。

そこが友人の広告代理店集団の場合は、「○○でYシャツを買って」「パネライの時計を買う」という行為に、彼らの価値観が物として現れているだけで、これってDQNが「こないだ芸能人見た」とか言ってお互いに自慢しあうのとあまり変わらない気がするのですね。


例えば外資系の投資銀行になるとコレが「どこそこのタワーマンションでパーティやった」とか「クルーザー買った」とかになるのかもしれないですし(もちろん大多数の人はマトモな感覚の他人に左右されない普通にちゃんとした人達なんでしょうが)。


最近そういうなんていうか「人の価値観の循環」みたいなものを考えることがあってですね。


一流の大学生は一流企業サラリーマンに憧れる。

一流企業サラリーマンはマッキンゼーや投資銀行のような超一流サラリーマンに憧れる。

超一流サラリーマンは成功した起業家に憧れる。

成功した起業家は幸せな家庭を持っている人に憧れる。

幸せな家庭を持っている人は・・何に憧れるんでしょうかね。


まぁこれってすっごい単純にしてあくまでキャシーの周囲の人々の印象でしかないんですけどね。

結局幸せな家庭持ってるやつが一番えーんじゃねーの。という綺麗なオチがついてしまいました。あくまでも一般論としてね。


まぁ何が言いたいかっていうと、エリートでも天才学者でも公務員でもDQNでも、収入とか社会的地位をモノサシにして考えたら、皆同じような生態系を形成してるだけなんじゃないの、ということで。

だから迷惑をかけない程度に自分が思うがままに、良いと思ったままに行動した方が最終的には得だよね、ということでした。


ちなみに、最近ツイッターアカウントを開設いたしました。
是非フォローのほど、お願い致します!

アド散歩公式ツイッターアカウント












2013年7月22日月曜日

本当の広告代理店ランキング

                                

就職活動中はよく広告代理店ランキングを見て「電通・博報堂に落ちた場合は◯位の会社まで受けるぞ」なんて思いながら就活をしていたわけですが、現状2012年における広告代理店ランキングは以下のようになっています。

1位 電通
2位 博報堂
3位 ADK
4位 大広
5位 東急エージェンシー
6位 JR東日本企画
7位 読売広告社
8位 読売インフォメーションサービス
9位 電通東日本
10位 ビーコンコミュニケーションズ
11位 朝日広告社
12位 クオラス
13位 フロンテッジ
14位 デルフィス
15位 日本経済広告社


まぁ順当に電通、博報堂、ADKというような順番になっておりますね。

ちなみに給料順で言うと、電通→博報堂→読売広告社→大広・・・・となってADKが3位ではないということは業界では結構有名な話・・。

上の順位ってのはあくまでも「総合・旧来の広告代理店」なので、ではネット企業のランキングはどうなのかというと

1位 オプト
2位 サイバーエージェント
3位 アイレップ
4位 セプテーニ
5位 トランスコスモス
6位 NIKKO
7位 フルスピード
8位 スパイア
9位 ライブレボリューション

・・・

みたいな感じになるんでしょうかね。
ネット代理店の中では年収ではサイバーがひとつ抜けてるかな、という感じがしますね。
中堅クラスで実績積めば1000万円も夢じゃない?という感じらしいですサイバーは。



さて、ここからキャシーの独断と偏見によるおもしろランキングを勝手に作成したいと思うのですが


激務度ランキング
1位 電通
2位 博報堂
3位 ADK

うーん、この辺はやはり総合代理店ベスト3が激務だな・・という気がしますね。

会社によると思いますが、ネット代理店の人たちは総合に比べてかなり時間は融通が効いている印象があります。少なくとも深夜4時まで残業を3日間ぶっ続け、みたいなのはあまり聞かないですね(僕が聞いてないだけかな)。


美女ランキング
1位 サイバーエージェント
2位 オプト
3位 電通


勝手に美女ランキング作成してみました。サイバーはまぁ、ブランドですよね。もうここはしょうがない。で、個人的に意外に美女が多いんじゃないかというのはオプトですね。
オプトさん結構若手で綺麗な方が多い気がします。
そして次点で電通。電通は派遣の方々に限定して言及していますが、母数も多いのでお綺麗な方が多いなという印象があります。


福利厚生ランキング
1位 サイバーエージェント
2位 電通
3位 NIKKO


すんません、本当に勝手なイメージです。
サイバーは確か家賃補助が出るんですよね、その時点で相当うらやましいです。電通はベネフィットワンと契約してるので諸々レジャー関連とかが安価で楽しめますよね。
3位のNIKKOさんは、GMOのグループなのでランチがただなのが良いなと思って勝手にランキングに入れさせていただきました。



立地ランキング
1位 ADK
2位 博報堂
3位 アイレップ


これもかなり適当ですが、東銀座にあるADKは「銀座勤務だよ」とギリギリ合コンで自慢できる+築地市場も近いのでおいしいものがたくさん食べれていいですよね。 博報堂は赤坂なのでおいしいお店たくさんあるのでこれもgoodと思います。 3位は渋谷ロケーションの代理店と迷ったのですが、赤坂近いよねってことでアイレップ。




激務部署ランキング
1位 テレビ部
2位 営業部
3位 新聞部(但し電通)


なんといっても死ぬのはテレビ部ですね。激務を通り越して魔務(まむ)とでも言いましょうか。お母さんみたいでかわいいんですけど。
次点で営業。クライアントにもよりますがプレ前はまず日付変更前には帰れないですよね。そして電通に関して言うと新聞部は相当な激務です。 これまでは新聞部と言えば社長への登竜門だったわけですが、今や時代も変わりましたね・・・。 皆さん体は大事に・・・。




そんな感じでキャシーの適当ランキングでした。
皆さん鵜呑みにはされないように・・。









2013年7月19日金曜日

早死にする職業ランキングは全然笑えない




2日前くらいにキャシーの愛読しているSPA!の記事でバズっていたものがありました。


早死にする職業ランキング


というものなんですが、激務度合いなどから早死にするランキングの特集がされていたのですが,
ベスト10を見てみると下記のようになっており、見事1位に輝いていたのが「大手広告代理店の営業」でした。

【早死にする職業ベスト10】
1位 大手広告代理店の営業
2位 IT企業の下請けSE
3位 チェーン飲食店店長
4位 若手官僚
5位 病棟勤務の看護師



うーん、広告界隈では若い人を中心に「ははは・・まーたこれうちの会社のことかなぁ?参ったなぁハハハ・・」といった反応が多かったのですが、前職で総合代理店の営業をやっていたキャシーからしたら全く笑えない話でして。


早死にどころか「前途洋洋だった若い人なのに激務のお陰で過労死して、遺族から裁判で訴えられた誰もが知っている代理店」なんて本当にありますし、入社した途端パワハラまがいの嫌がらせでノイローゼになって出社してこなくなり様々な部署をたらい回しにされて通院状態なんていう人たちがキャシーの周りでも本当にいました。

激務が原因でもありますが、とかく代理店の場合はそれが日常化しているところに原因があったりもしてですね。


勤務時間が長くて毎日2時3時帰り、水未時間は3~4時間程度。更に飲み会も多く重なって休日も返上となれば人間心身に異常をきたして当たり前です。

もしこのブログを読んでいる代理店の営業の方で「あ、正直もうキツイです。」って思っている人がいたら即刻異動届けを出すことをご推奨いたします。もしくは転職。



代理店が激務の原因は色々あると思うんですが、その最大の原因の一つが「時間の感覚がルーズ」というところが挙げられると思います。

・1回の会議に2~3時間
・しかもその中で話すのは出席者10人中3,4人程度
・特にアクションプランも決まらずダラダラ話して終わり
・しかも始まるのが夜の22時から


そんな会議もキャシーは結構ザラに経験してきていてですね・・。

なぜこんな風になってしまっているかというと、時間とコストの感覚が薄い世代の人たちが得てして部長やマネージャークラスだからなのですね。

例えばクリエイターにしても、年長のおじさんにしても、午後の3時とかに出社してきて朝まで仕事して帰るとか「それが広告代理店っつうもんだよ」みたいな昭和の頭の方々がまだ一部に存在しているのも事実でして。

そういうのに付きあわせなければいけない若い人たちは本当に大変だと思います。。
しかも割と有名な人に限って上記のような例になりがちなんですよね・・誰も正論を言って逆らえない空気があるので・・・。


まぁとにかく、早死にするなんて称号もらっても、頼むからヘラヘラ笑っていないで本当にまずいと思ったらサッと引く勇気を持っていただきたいなと改めて思った次第なのでアリマス。
健康大事だよ。









2013年7月18日木曜日

テレビになりたいネット広告




どうも、キャシーです。

最近つとに感じることがあるんですが、ネット広告がテレビになりたがっているような気がします。

言い方を変えると、「ネット広告でも認知拡大やブランディング効果が狙えるんだぜ!」という方向に業界全体が動こうとする胎動を感じます。

キャシー的にはこれ非常に皮肉に見える部分もあるのですが、
元々テレビを中心としたマス広告は「その後商品がどれくらい売れたの?」「その広告を打ったことでどんな効果がどれくらいあったの?」なんていうのはほとんどザルで計測不能でした。

「確かに商品動いてるから、良い感じだねっ」
「アンケートとったら”知ってます”っていう人が増えてるから、今回のキャンペーンは成功だねっ、よし、ビールで乾杯!」

なんていう感じで未だにやってる部分が大半なわけですが、
ネット広告ってのはある種そのカウンターパートとして育ってきた広告手法。

いつ、どこで、どんな人が、どの広告を見て、いくらのものを、どれだけ買ったのか。

ということが正確に把握できるネット広告はまさに天から舞い降りた夢の様な広告手法!


だったわけなんですが、最近どうやらそのネット広告が「テレビ的な存在」になろうとしているようです。

まぁ最近は生活者のメディア接触時間はネットがぐんぐん伸びてきているので、通信環境も整ってきた中でそうした動きが増えてくるのは当然ですが、ネット広告先進国のアメリカではなんとネットの動画広告市場は2013年に4000億円に到達すると言われています。これはドヒャー!な数字ですね。 どれくらいドヒャー!かというと、日本のネット広告市場のすべてがアメリカでは動画に費やされているということです。そりゃドヒャー!ですね。 

ちなみに日本はまだまだ動画広告市場は小さくて数十億円程度。こりゃまだまだ伸びしろがるなってわけですが、今回キャシーが言いたいのは「果たしてどこまで日本ではネット広告は動画広告市場に変遷が進むのか?」ってところです。


アメリカの場合って結構特殊な事情があって、そもそもテレビの時間帯が広大な国土のお陰で4分割されておるわけです。しかもケーブルテレビが基本なのでチャンネルも200以上が当たり前。そんなところに日本みたいなテレビの激烈な巨大なリーチを稼げるわけもなく、動画を見せようと思ったらまずはYouTubeで広告!が結構メインのプランニングだったりするわけです。

ところが日本の場合って良い具合に国土がミドル級で、お金持ちのナショナルクライアントだったら東京・大阪・名古屋・福岡をキープするだけで人口の7割くらいにはリーチできてしまうわけですね。しかもこれがちょーど良い予算金額で買えてしまうという。同じだけの比率にリーチしようとすると、アメリカでは日本の約7倍の金額がかかってしまうということで、とても現実的ではありません。

そうすっと日本の場合は動画広告なんてちまいことをやらずに「テレビ+リスティング」とかやっておけばええやということになってしまうわけです。


ところが、日本でもだいぶ検索広告やディスプレイ広告が浸透してきたことによって、結構ネット広告もクライアントによっては「ある程度やり尽くした感」が出てくるわけですね。

元々パフォーマンス(要は顧客の獲得)を最大化するための最高のツールであったネット広告が飽和してくると、次に何をやらなければならなくなるか。それは


・そもそも自分とこのサービス知らない人たちに対して、どれだけ認知を広めるか


ということになってくるわけです。
ただ認知を広めるのにテレビをどかーんと打つだけの体力がないクライアントがほとんどの中、どうやってリーズナブルに認知拡大させるかっていったら、そこでネットの動画広告の出番ということです。


まぁそこでじゃあどうやって動画広告やってきゃいいんだよ、となるわけですが、
今日は長くなったのでこのへんで・・・。








2013年7月17日水曜日

広告クリエイターは結構難しい。

クリ活 広告クリエイターの就活本


どうもおはようございます。
昨日本屋に行っていたら「広告クリエイターのための就活本・クリ活」なるものが販売されていてですね。 なんか僕はある種クリエイターという職業が昔に比べて「身も蓋もない職業」になってしまったのではないかなーと思うわけです。

元々情報が今ほど溢れていなかった時代には個人のセンスを磨くには本を読んだり、旅に出たり、人と会ったり、音楽を聞いたりして能動的に自己研鑚(というよりほぼ趣味なわけですが)している人間がクリエイターとしての価値が高かったのだと思うのですね。

ところが今はもう情報も溢れかえっていて正直言って簡単なコピー程度なら見透かされてしまうような世の中になってしまった・・。皆さんも地下鉄の広告やポスターを見て「ああ、良い事言ってるなぁ」というよりも「ドヤ顔で考えたなー」と冷めて見てしまうことも多くなったのではないでしょうか。


また広告業界で安易にクリエイターを志望するのも僕はちょっと懸念があって、それは何かというと

・学生ってそもそも広告の仕事はクリエイターの業務くらいしか知らない

というものです。

広告業界のうち、クリエイターの領域はすべてではないけれど限定的なものであるし、営業やプロモーション、マーケとかも十分クリエイターよりもクリエイティブだったりビジネスセンスが磨かれるので良いと思うんですけどね。


あとはクリエイターという職種自体がなかなか長いこと一線で活躍するのが難しいということです。

キャシーも入社の際に人事の人から

「クリエイティブやりたい人はたくさんいるけど、クリエイターって水物だからね・・・年取るとセンスも悪くなってきて食うのに困る人が多くなるんだよ・・」


ということを言われたのをよく覚えています。
実際に昔どでかい広告賞を取った大物クリエイターがその後若い人が活躍するのを阻害する老害クリエイターとなっている例なんかは結構ゴマンとあったりします。


なんというか、根っからのクリエイターでありアーティストで「たまたまお金を稼ぐために入ったのが広告会社」という感覚なら僕は良いと思うんですよ。もうそういう人は広告会社に入社したとしても広告じゃなくてアートとしてやりたいこと突き進むべきだし、ビジネスに自分のセンスを迎合させなくてもやってけると思います。 そこでなんだかんだで一部のスターな人たちは磨かれていってクリエイターとしてもビジネスマンとしても一線で活躍できるようになると思うので。

けど、広告業界って安易にセンスも正直あまりパッとしない学生があまりにも多く「クリエイター」を目指しすぎる傾向があるのではと思います。

もう今の時代、うまいコピー書いたから、とかあのCMやったから、とかじゃ評価されない世の中なので、その中でもネットに強いとか、電通の標榜するようなコミュニケーションデザインというやつをマーケティング的観点から考えられるような部署に行ったほうが全然クリエイティブだと思うんですよね。

宣伝会議の世界とかその他クリエイターの世界って一見華やかに見えるから学生なんかはふらふら~、と目指しちゃうんだけど、本当に適正があるのかどうか、それ以外の職種のことを知っているのかなど、自分に問いかけたほうが良いと思います。これは僕自身の経験談でもあります。







2013年7月10日水曜日

シリコンバレーの福利厚生が充実している理由




皆さん、おはようございます。最近更新が滞っておりました。というのも、
シリコンバレー出張や国内出張が多くバタバタしておりまして・・・これからは1日1回更新を目標に頑張りたいと思います。

今日は福利厚生についてなんですが、
シリコンバレーのIT企業、いわゆるGoogleやfacebook、その大手企業では従業員に対する無料の昼食やドリンク、託児所やテニスコートにフットサルコートまで、様々な福利厚生システムが充実していて、日本の一般企業からしたらうらやましいことばかりですね。

Googleに至っては週に何度か「移動式図書館カー」や「散髪カー」が来て、
会社の休憩時間中にいっちょ散髪でも・・なんていうことも可能だったりします。もちろん全部無料。
あとは社員が亡くなった場合に、残された遺族に対してその時に社員がもらっていた年収の半分を10年間に渡って支給するという物凄い福利厚生もありましたね。


キャシーも何度もシリコンバレー周辺には赴いているのでこれらのシステムを見ながらすげーなぁ、と思っていたのですがそれには理由があるのですね。

一般的に言われるのは社員のロイヤルティを高めるために福利厚生でなんとか社員の環境を良くしよう(転職しないでもらおう)というものがあるわけですが、本当に優秀な人はそんな福利厚生に目もくれずにバンバン転職していきます。

理由には2つあって、1つは「節税」です。
プラットフォームとなって世界中から広告収入・課金収入を得られるようになった巨大IT企業は利益率も半端じゃ無いです。

例えば日本の広告代理店の利益率なんてたかだか7~12%くらいの間なんですが、IT企業の利益率は40~60%くらいある企業も(グリー、DeNAもそうですね)。

そんなに儲かってたら税金で物凄い金額が持っていかれるということで、ヨシだったらこの金を必要経費として社員の福利厚生に使っちゃおうじゃないかということで、無料の食事やその他の福利厚生がある、というのがひとつ。

2つめは単純で、シリコンバレー周辺って「本当に何もないんです」よ。

もちろんパロアルトやスタンフォード大学周辺に行けばお店やらなんやらあるわけですが、
徒歩で移動するのはほぼ不可能。

Google本社に行ったことある人は知っているかと思いますが、Googleはそれ自体が巨大な大学のような形になっていて、周辺は国道101と緑に囲まれた自然豊かな土地なんですね。

で、もちろん周りにランチを食べに行ったり髪を切ったり、買い物をしよう、なんて場所はほぼ皆無なわけです。(車で行こうとするなら話は別ですけど)


なので会社が社員にある程度の施設やシステムを提供しないと、そもそも「メシ食うところがねー!」となります。


無料ではありませんが、大体のシリコンバレーの企業は社内に食堂を持っていますね。そうしないとご飯食べに行けないからね・・。



という至極シンプルな理由だったりもするんですが、Googleの東京のヒルズのオフィスやfacebookのオフィスに勤めてる人は逆に周りに何でもあるし社内では昼食が無料だし、ということで一番オイシイのかもしれません・・・。





2013年5月28日火曜日

広告代理店は"メディア”の代理店です

こんばんはキャシーです。

今日は総合広告代理店の仕事内容について書いてみたいと思うのだけど、キャシーも学生の頃は広告業界に憧れていて、その理由はやはり当時は高給の代名詞みたいな存在だったし、なんとなくアイデアを形にして世の中に大きくどーんと知らしめる、みたいな仕事っていいなぁと思ってたんですね。 

元々音楽や美術、文学にも興味があったのでなんとなくArtisticな分野の仕事に就きたいな、という思いがありました。


そんなキャシーが広告代理店に入ってびっくりしたのが


総合広告代理店ではたらく=クライアントのためにソリューションを提供する


というよりは


総合広告代理店ではたらく=どれだけメディアを売るか。


という仕事に終始することだったんですね。


いや、そんなの電通・博報堂の決算を見たら一目瞭然なのですが(入社前にちゃんと調べとけよって話なのですが)、大体どこの広告代理店も6~7割くらいは

テレビ
新聞
雑誌
ラジオ
インターネット

の「メディアの売上」で稼いでいるわけです。あとはそこに掲載するための広告クリエイティブ制作費。



「広告代理店は、メディアを売ることで食っている。」



まぁさすがに「アイデアを世に問う」だけで仕事しようとしていた自分は子供だったなぁと思うわけですが、基本的には「総合広告代理店=メディアを売る会社」なわけですね。
なので、メディアを売れる人間がやっぱり強いし評価される。


昔は広告効果の測定方法もそこまで充実していなかったし、経済が伸びていたからクライアントとの人間関係で仕事が回っていたわけです。そりゃ広告の効果が明らかに全くない、というのは問題だけれど、そもそも掲載するメディアも少なかったということで、ロジックがうんぬんかんぬん、ではなく「いかにクライアントに気に入ってもらいながらメディアをお買い上げいただくか」であったわけです。


よく広告代理店の真髄は「クライアントのために最善を尽くすこと」と良く言われるわけですが、その”最善”はテレビを買うことであって欲しいんです。だって儲かるから。

テレビ買ってもらわなければ新聞を買って欲しいし、新聞が無理なら雑誌を買って欲しいし、雑誌がダメなら・・・まぁ、ラジオはいいとしてインターネットを買ってほしい。それもできればYahoo!のトップのブランドパネルを買って欲しくて、間違ってもGoogleのAdWordsに出稿したいなんて言って欲しくないわけです。


コミュニケーション・プランニングなんたら・・とか言ったり、ソーシャルメディアうんたら・・・みたいな部署も最近増えてきていますが、なんのことはない、最終的にはおっきなテレビ・新聞とかを買ってもらうための外堀を埋めるための部署だったりするのもある面では事実。 

そもそもの「マーケティング」も「最適なプロモーションを構築するためのマーケティング」ではなく、「いかにテレビを買ってもらうかのマーケティング」だったりするのです。


プレゼンの時でも、前段のマーケティングの説明が非常にロジカルで納得感のある説明だったのに、「それでは、実施するプランをご紹介させていただきます」と言った瞬間に、

「テレビを買いましょう!」
「新聞を買いましょう!」
「雑誌を買いましょう!」

となっていて、「ズコーッ!」とずっこけてしまうことも多いのです。


「代理店」というのは「クライアントの代理」ではなく、あくまでも「メディアの代理店」であって、ソリューションありき、というよりはまずメディアを売ることが前提です。それがあって、ソリューションが成立します。


まぁ、ここでキャシーが書いていることなんてこれまでもたくさんの人が何回も言及してきたことなわけですが、マーケティング課題に対して色々な施策を巡らせていたら、


「そもそもメディア買わないでいいんじゃないの?」


という選択肢も検討されうる考えだし、でもそんなことロジックまとめて提案しようとしたら上司から(しかもあなたがメディア担当部署に配属されているのであれば)

「お前はバカか?」

と言われてしまうのは目に見えているので、なんとかメディアを買わせるような方向にもっていかなければいけない。

というと聞こえが悪いのですが、そもそも広告を売るのがビジネスなのだから、少しでも買ってくれる可能性があるメディアの枠を売るのは当然でもあり・・・難しいですね。



言い過ぎでしょうか?確かに言い過ぎだと思いますが、実際にキャシーがあるメディア部署にいた時に、

「○○さん(先輩の名前)、これってこのメディアじゃなくてこういう施策の方がお客さんとしてはいいと思うんですが、どう思いますか?」 

「は?何いってんの?あんたその案件、他の部署にフラフラ渡したりなんかしたらぶっ飛ばすからね。」

と言われたこともありました。
そりゃその部署はそのメディアを売ることが目的の部署なんだから、まぁ当然ですよね。
ということでキャシーは冴えないやつだったのです。


もちろん、最も良いのはマーケティングロジックやコミュニケーションデザインが秀逸、さらにメディアバイイングと組み合わさって、しかも効果が良い、なんていう魔法のようなキャンペーンなわけですが、なかなか皆が皆激務と提案の締め切りが迫っている中で、そこまで練りに練った提案が出来る人も少ないという事情もあります。



なんか批判的な文章になってしまいましたが、IT企業でも広告に携わっていたキャシーからすると、リスティングのようなコンバージョン地点がはっきりしているウェブ広告よりもロジックがどうしても薄くなりがちなマス広告のところで、ドシッと構えてメディアの枠を切り売りできる総合代理店のパワーというか胆力みたいなのってやはり他の業界とは一線を画していて、そこはウェブ企業がやっぱり太刀打ちできないところってのはあると思うんですね。

なので、個人的にはやっぱりマス広告を経験した人はどんどんウェブ業界に飛び込んで、そこで全方位的に提案・話ができる人になるのが良いのではないかなーと思っています。

















2013年5月26日日曜日

起業しないやつは"ウンコ”である

どうもキャシーです。昨日のエントリは思いがけず様々な方にシェアいただき、たくさんの方に読んでいただいたようです。だけど誰もコメントはしてくれないのね・・・。






さて、こんなtogetterが昨日話題になっておりましたが、キャシー的にも共感するところはいくつかあってですね。



この一言に言いたいことが集約されてたと思うんですよ。要は

「学生の中には起業しさえすればOKとかって考えて、そもそもその起業の内容もセンスないし、起業しただけで大企業とか旧来の働き方をバカにして、しかもずるずると失敗したことを認めないでだらだら続けてんじゃないよ!」

っていうことだと思うんですね。

ここからはキャシー自身の体験になるわけですが、最近のソーシャルメディア上ってfacebook映画が公開され始めた頃からベンチャー界隈の人達の言論が非常に活発で、結構その界隈の人からすると


「起業しないやつは人生無駄にしてる。」


っていうくらいの極端な発言が散見されて、その割には企業勤めの人からすると「本当に結果を出して、実際に彼らが言うように世の中を変革してるのってどれくらいいるんだろうね?」っていうのを微妙に思っていて、キャシー自身も正直、ベンチャー起業した若い人の発言を見てると「いやいや・・大企業だって全然楽しい部分あるし、良いところたくさんあるんだよ・・?」と思うことはあるわけです。 むしろ起業した人は自分が不安だから正当化するようなポジショントークをしたくなっちゃうのかな、とか。。


個人的にはベンチャー、スタートアップ、起業系の話は大好きですし、チャレンジする人は常に応援しているのですが、起業したことがなんでもかんでも最高で一番クールなことだ、とは思う必要がないんじゃないかってことです(でもシリコンバレーの方とかって超クールだよね。やっぱアメリカ人かっけー)


起業したければすればいいし、大企業行きたくなければ行かなければいいし、起業したけど「あ、ダメだ。」と思えばやめて就職したらいいし、大企業行ってたけどやりたいこと出てきたら起業しちゃばいいし。中途半端でうじうじしてる奴はそれはそのままうじうじしてればいいと思うんです。


またベンチャーキャピタルの人達は「起業する人が一人でも増えなければ仕事がなくなる」っていう側面も一部分ではないわけではないので、起業するにあたってネガティブなことなんて言わないですし、そもそもベンチャーはどこが当たるかわからないから「このベンチャー本当にひどいな。。」と思ってても、そんなこと誰も言ってくれません。だってもしかしたらGoogleみたいになっちゃうかもしれないから。基本的にベンチャーキャピタルは「全張り」です。投資はしなくとも関係は良好に保とうとする場合が多いのはビジネスとして当たり前。


「学生は起業せずに就職しろ。」答えはないとは思いますが、某IT企業の方が言うように、日本のような「文系主導のIT業界」はシリコンバレーのようなTech文化とは違って、結構な比率で営業力と人間関係がモノを言う部分があるのは否めないと思うので、そういう意味では一度就職した方が有利な側面が多いのではないかな、という部分も共感できます。

まぁキャシーは「センスの良い」起業をする人は好きです。センスが良いかどうかはキャシーの勝手な好みなんですけどね・・。



















2013年5月25日土曜日

総合代理店の若手は「不幸」である。

総合広告代理店で働いていた時には特に意識しなかったのだが、外に出てみて圧倒的に気づくことがあった。それは、

・大きな代理店で働いていると、仕事が勝手に舞い込んできて、その状態が「異常」だと思わなかった

というものである。

もちろん、扱いを落とせば仕事はなくなるし、そもそものパフォーマンスが良くなければ同じ業務を継続することもなくなるのだが、基本的に「仕事がなくなって困ってる」という状況になることが圧倒的に若手の頃は少ないのだ。


誤解を恐れずに言うと学校に行くようなものだ。


毎日会社に行けば、仕事が待っていてうまくこなせば評価がもらえる。
新規開拓なんて上の部長さんレベルがこなしているので、若手が尻を叩かれることもない。

なにも功績がなくても配属次第で超有名なビッグクライアントを担当させてもらえるし、久しぶりに会った友人はメーカーで地味〜な仕事をしているところに「今○○のCMやってんじゃん?あれうちのチームなんだよね〜」などと自慢することもできる。


でも、そんな状況にずっと浸かっていることで、総合代理店の若手は決定的にビジネス、特に経営や財務関連の知識に疎い人間が多くなっていると思う。

売上を伸ばす前にそもそも与えられた予算内で仕事をしていると、「そういうもんなんだ。予算をくれるんだ。ふーん。よしがんばろう!」で終わり一件落着。

そもそもなぜこの予算が出てきたのか?クライアントの経営状況は?なにか市場にビハインドな部分があって修正すべきマーケティング課題があるのでは?

考えないことはないけれど、そんなことを口にした瞬間にボスから言われるセリフはこうだ。

「そんなこと考える前にコピーを早くとれるようにしろ。」


これで若手の思考回路はジ・エンド。 

気づけば与えられた予算で割り振られた仕事の中で仕事をしているために、決定的なビジネスセンスが欠落していく。
ビジネスセンスとは数字を読む力であり、経営という全体設計の中で相談された仕事内容がどこを占めているのかを俯瞰して吟味できる能力であると思うが、その能力がまったく身につかないまま年齢だけを重ねてしまう。


気づけば業界の商慣習や根性論や「なんだかんだで人。」「俺がお前くらいの頃は。」といった正直あまり中身のない話ばかりをする中年男性の出来上がりである。
本屋に行ってもそんな本が溢れかえっているのを皆さんは見ていると思います。

ちょうどキャシーくらいの油ののった30代の広告代理店に勤める友人から転職相談を受けることが多いのだが、異常なほどネガティブなのだ。


「俺、転職しようとしてみて初めて思ったんだけど、俺の取り柄ってなんなんだろうな・・。派手な仕事は確かにしてきたけど、結局連絡とか情報をまとめてるだけだったし、正直スキルみたいなことは何ひとつ言えないし。。扱いが30億のお客さんを持ってたとか言っても、別にそれって俺の力で取ってきてたわけじゃないしさ・・・」


もちろんそんな人ばかりではないし、物凄い頭が良くてクライアントから信頼されている人や転職する人なんてゴロゴロいる例はあるのだが、少なくともそういう人は「若い頃」に問題意識を持って勉強してきている。間違いなく。

忙しくて仕事に追われているのはわかっているけれど、総合代理店の若手は、キャリアを拡大させたいなら、絶対に仕事以外の時間を飲み会だけではなく、ある程度「勉強」に使うべきです。マジで他の業界の同世代に置いてかれます。

それコピーライターの名言集とかキャンペーン成功事例集、みたいな本読むんじゃなくて、「金融」や「財務」「経営」、あとはもちろん「英語」を学んでいた方が良いと思うのです。そんなことを勉強してこなかったおじさん部長からは疎まれるかもしれないけれど、それはキャシーが自信を持って言える言葉です。








2013年5月22日水曜日

統計学が最強って言ってもそれは「学問」の世界での話だからね。

どうもキャシーです。いよいよ最近、「夏になりまっせ!」と太陽から呼びかけられているような気がするくらい気温が上がって来ましたね。脇汗でシャツを湿らしているおじさん達もちらほら。

さて、今日私が書きたいのは「マーケティングがプロダクトより”前”にきてはいけない」っていうことです。

どういうことかというと、自社が作ってるサービスの

 ・面白さ
 ・そもそもの中身
 ・作ってる人達自身が良いと思っているか

を突き詰める前から、

 ・世に出たらどうやって売ろうか
 ・どこが儲かるポイントか
 ・前回ローンチしたやつはこうだったから今回はこうなるんじゃないか

というのを前提に話を始めてしまってはイカンのではないかということです。


「いや、そもそもマーケティングできるのはプロダクトがあるからなのであって、マーケティングが前に来るっておかしくないか?」


というのは至極当然な疑問なのですが、何故私がこのことを今書いているかというと、

「売上・営業利益は○半期連続で下降を続けながら、なぜか広告宣伝費に関しては横ばいか微増」

という企業が意外なほど多く、その企業の多くが好調子だった時代のマーケティング手法を脱却出来ずに、マーケティングではないそもそものプロダクトに問題が出始めていることに気づいていないのでは?という例が多いのです。


さて、ここでアメリカの実業家ジョン・ワナメーカーの言った

「広告費の半分は無駄ということはわかっている。問題は、どっちの半分が無駄なのかがわからないことだ。」

という言葉が思い出されるわけですが、特にマス広告の役割については

・ニーズが生まれているところにさらに燃料を投下してその勢いを加速させる


場合と、

・ニーズがないもしくは減少しているところに燃料投下をして、認知を拡大して需要を計る


という2つのパターンが大きく有ると思うのですが、前者は大体好業績に任せてどんどん広告費も上がっていくものなのですが、問題は後者の時。

前者のパターンで勝ち続けている企業が急に後者のフェーズに入ると、当の本人たちは

「あれ?おかしいぞ?これだけ広告費投下してるのに前ほど売上あがらないぞ?」

というところから始まり、

「競合が出してるからかな?競合を調べてみよう!うん、やっぱり競合も結構出しているな。負けないようにもっと広告費投下しよう!」

とどんどん売上が下がっているのに広告費だけが増加していき、利益も圧迫してくる。


新陳代謝の激しい業界ほどこういう減少は起こりやすいのですが、原因はもっと違うところにあったりするのが世の常で、その原因とは


”ユーザーが、そのサービス・商品をもう求めなくなっている”


というところにあったりするのですね。


成功していた企業は

「そんなはずはない、何か間違っているだけで、ちょっとまた似たようなサービス・商品を開発すればユーザーは前と同じように戻ってくるはずだ!もっと広告をしろ!ユーザー分析をしろ!競合との違いを洗い出せ!!」

と必死に外に原因を求めだすわけですが、なんのことはない、売上低迷の本当の原因は実は「内部」にあるということは往々にしてあるわけです。

この「内部」は必ずしも組織が怠惰になった、社員のモチベーションが低下している、といったことではなく、むしろ社員は血気盛んで情熱に燃えて良いものを作ろう!としている時に結果が伴わなくなってくることがあるわけです。 純粋な「市場の変化」が起きている、ということです。

その変化にうまく対応できる会社は、プロダクト自体を徹底的に見直します。


ユーザーが「今」求めているものはどんなサービスなのか?

もしかしたら自社のサービス・商品は時代遅れでダサいひどいものなんじゃないのか?

自分がフラットな目線でサービス・商品を利用してみた時に昔ほど良い!と思えるのか?


そんなことをいちから考えなくてはいけません。



かなり長くなりましたが、マーケティングがプロダクトより”前”にきてはいけない、という題名に戻りますと、マーケティングがその時点で強くなりすぎていると、原因をすべて「定量的なもの」に求めがちです。


「統計学が最強の学問である」という本が売れていますが、最強なのはあくまでも「学問の世界」の出来事であって、ビジネスの世界では統計学は最強でもなんでもありません。


あまりにマーケティング的な定量的分析に陥ると、

「定量的な分析とは全然関係ないところでの、”そもそもユーザーが面白く無いと思っている””イメージがダサい”と思っているから離れている」

といった超シンプルで、でも超強力で、「どう逆立ちしても定量化できない問題点」がボヤかされたりしてしまうわけです。


ここで変われない企業のことを経営学ではよく「イノベーションのジレンマ」などと言うわけです、このイノベーションのジレンマが本当に怖いのは「当の本人が過去の成功体験に縛られすぎていて、ジレンマに陥っていることに気づいていない」というところにあると思います。


まぁ私は、これは企業だけではなく個人でも当てはまると思いますが、
長くなってきたので今日はこのへんで・・・。













2013年5月21日火曜日

チームを良くする超簡単な方法

さて、新入社員もそろそろ新しい部署に配属されて1ヶ月が経とうとしている時期。
キャシーの働いていた会社でも「チームをどうmotivateするか?」というのは非常に重要な課題でした。

・会議中に積極的に発言しない
・何かアイデアを出しても「ふーん・・」という感じの空気になる
・そもそもいつも同じ人ばかりが目立ってしまっている
・なんとなくチームの雰囲気が重い・・
・皆黙々と仕事していて、隣同士で何やっているかわからない・・

地味な悩みかもしれませんが、どこの組織も同じような悩みを抱えていると思います。

私がいた外資系の会社なんかでは個人主義が浸透しているので、そんなことイチイチ気にしない組織もあります。 全員がお互いをプロフェッショナルだと思って仕事をしているので、さくさく自分の仕事が終わったら「じゃ!」と言って颯爽と帰宅するのが日常茶飯事。

それはそれで全く問題ないですし、どちらかというとキャシー自体はそういうお互いが高いレベルで仕事をしている環境は好きです。 ただ、皆が皆そういうわけではない。特に日本企業であれば、「隣の人が何をやっているか知らないよりは、知っていたほうがいい。」と考える人が多いと思うんですよね。

私はその考え自体はすごい良いと思っていて、そんなに他の人を思いやって仕事が出来るのはやっぱり日本人の美徳であり誇るべきものであると思うわけです。

さて、そこでチーム内の雰囲気を活性化させて、あるべき方向にどうやって導いていくかという問題なのですが・・・

基本的にはチームビルディングや旗振りを行うのはマネージャーの仕事だと言われています。何かチーム内で方向が定まらない時や、答えのない問題に対して議論をしたあとに最終的な決断を下すのがマネージャーの役割であり、責務であると。

ただ私が思うのは、マネージャーだけにすべてを任せていては組織の底力が全く育たないですし、やはり現場のメンバーがどれだけ「自分のこと」としてチームに貢献しようとするかどうかだと思うんですよね。

チームに貢献する方法はとてもシンプルでいいと思っています。

・朝会社に来たら気持ちよく挨拶する
・誰かのメールにすぐに返信する
・会議中に必ず質問する、発言する
・何か変化を感じたらすぐにそれを言葉にして伝える(「最近あの案件どうですか?」)
・メンバーに興味を持つ(「こないだ話していた事例、教えてくれませんか?」)
・会社の外で起こっていることはメンバーに共有する
・クライアントが言った印象的な言葉を共有する
・会議が終わった後、家に帰ってふと思いついたことがあったらすぐにメンバー内に連絡する
・自分が作った成果物をすぐにメンバーに見せて、フラットに感想を求める


そんな簡単なことを各メンバーが意識するだけで、組織は見違えるほど変わるものです。
もちろん営業組織であれば、数字を達成するのが第一といった目標がありますが、仮に数字が達成できても、できなくても、上に挙げたようなことをメンバー全員が継続している時には、必ず時間がかかっても結果が出ると感じています。


なんかすげー根性系のエントリになってしまって自分でも「うげー」とかなっちゃってるんですが、でも大事なことと思います。

特に会社に1年、2年と在籍するにつれて、環境が変わらないと人って慣れてきちゃうんですよね。で、慣れると心地良くなるもので、環境を改善しようとか、「もしかしたら今の状態ってもっとよくできるんじゃないか?」とか思わなくなっちゃうものなんですよ。どんな優秀な人であっても。

そういう時に、細かい行動のところから常に全員が動いていると、チームはどんどん良くなるし、新しく入ってきた人達も居心地が良くて自由に発言したり、実力以上のパフォーマンスを発揮することができる。

で、じゃあ誰がこれをやるの? という部分なんですが、これをやるのは「あなた」です。今この文章を読んでいる「あなた」が、明日会社に行ってこれを意識してやるだけで皆がポジティブになって、「あなた」が中心になって、組織・チームが変わるんです。それってすごく面白くないですか? 面倒くさい上司がいるかもしれません。人がポジティブにやろうとしてるのに茶々をいれてくる嫌な野郎がいるかもしれません。でも「あなた」がやるしかないんです。なので、がんばってください。 




5月も終わりに近づいて来ましたが、基本的ながら大切だと思ったので書き記しました。
それではそれでは。

2013年5月19日日曜日

ベンチャーでできること、大企業でできること1

こんばんは皆さんキャシーです。
明日からまた月曜日ですね。カーペンターズは「雨と日の月曜日は憂鬱」という歌をうたいましたが、まぁとりあえず雨が降らなそうなだけヨシとしておきましょう。

 さて、先日友人と話していて盛り上がった話題があったのですが、「若いうちからベンチャーで働いたほうが良いのか?はたまた大企業に就職したほうが良いのか?」というよくある議論です。
 
 キャシー自身も学生から相談を受けた時に「ベンチャーと大企業、どっちがいいですか?」とかって聞かれて、真っ当な人間なら迷わず「いや、ベンチャーも大企業も、行きたい方に行けば?人に聞くなよーってば。」とか言えばいいんですが、一応相談されている身としては(特にその相談相手があくまでも従業員としての目線から考えていて、起業家になるほどの才覚がなさそうな人間の場合は)親身に答えてあげなければと思ってしまうんですね。

 ということで、ここでは敢えて「起業したほうがよいのか?」という言い方はしません。どんな規模の企業であれ、従業員であることの延長線上に経営者という「職種」はないという私の持論からです。
 
 会社を経営していくために(しかもそれが成功していると思われるような会社)必要な知識と、経験と、度量は従業員のそれとは一線を画すという考えから、ここではベンチャーに「就職」することと大企業に「就職」することについて書きたいと思います。
 起業したいという方はおおいにされるとよろしいと思います。本当は全ての答えはそこにあるような気もするのですが・・。

 
 さて、脇道にそれましたが、「若いうちからベンチャーで働いた方がよいのか?」「大企業で働いたほうがいいのか?」についてですが、ネット上ではあまりにそれぞれのポジショントーク、特にベンチャー界隈の方々からの声が大きいので、個人的には中立的な立場だと思っている私がその辺整理してみたいと思います。
 ちなみに、職種はすべて営業や企画などの部門がキモになる企業に入った際に限った話だと思ってください。テクノロジーにめちゃくちゃエッジが利いている、イーロン・マスクのテスラだったり未来の食糧危機を救うユーグレナみたいなvisionaryなベンチャーに入った人間はそのまま突っ走ってください。 

 Googleのエリック・シュミットも言っています、「宇宙船が目の前に現れたら、乗ろうかどうしようかなどと考えてはいけない。まずは乗ってみる事だ。」


 さてさて、脇道にそれてばっかりですが、あなたがいわゆる日本の「ベンチャー企業」もしくは「大企業」と言われる会社に入って、営業・企画系の職種に配属になった際に双方に言われることを並べてみました。



〜ベンチャーで働いたほうが良い理由よくあるTOP5〜 

①若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる
②会社の成長を肌を持って感じられる
③ストック・オプションを与えられることで、もし会社が成功した場合は経済的な見返りが見込める
④大企業と違ってくだらないしがらみや日本的な悪しき商慣習に惑わされることがない
⑤夢や目標に向かってひた走ることができる


よく上に書いたようなことが言われると思うんですよね。で、ひとつひとつ見ていきたいんですけど、


①若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる

 これに関してはその通りだと思いますね。ただベンチャー企業で「責任ある仕事」って、あくまでも「ベンチャー企業の規模の中での責任ある仕事」であって、世間に与えるインパクトはなかなかどうして小さかったりする。 責任があるということは少人数でやっている仕事ということであって、必ずしも「大きな仕事」ではない場合があるのですね。それでも「責任」という2文字を享受できる分、成長は早いのかもしれません。もちろんここで言うのは一般論であって、例外は腐るほどあります。腐るほどあっちゃダメじゃん。


②会社の成長を肌を持って感じられる

 これも個人の人格形成に大きな影響を与えると思うのですが、例えば前に書いた広告代理店なんて、これまではほとんどが「前年比90%」「前年比87%」みたいな世界なわけですよ。それは家電業界も同じだと思うんですけど。でもお給料はもらえてしまうわけなんですね、大企業って。若い時期から「負けグセ」がつくのは私は個人的には非常によくないと思っている。負けグセがつくと「まぁ、こんなもんだよね。」とか「やってもしょうがない。」っていう感覚が本人の意識しないところで根付いてしまうものだと思うので。そのネガティブインパクトはその後のキャリア形成にあたって大きな影響になると思っている。なので、ベンチャーで売上がどんどん上がっている間は「勝ちパターン」を体感できる、かつ、自分が果たした役割が大きいということで、順調なうちはベンチャーの方が確かに良いと思いますね。


③ストック・オプションを与えられることで、もし会社が成功した場合は経済的な見返りが見込める

 良心的な会社であれば、ベンチャー初期で給料を上げるのが難しいうちはストック・オプションという形で従業員を労ってくれるはず。ちなみにストック・オプションとは「新株予約権」と言いまして、未来の株を現在の値段で買える権利のことです。 めっちゃシンプルに言うと、「2年後に1億円になったモノがあったとして、あなただけ1万円で買っていいですよ」っていう権利ですね。すごいですね。買ってからすぐ売っちゃえば9999万円の儲けになるってことです。うわすげーシンプル適当すぎる説明。
 まぁ、億万長者を狙うのであれば、ガンガンベンチャーで働くってのはアリかなと。大企業の定義を上場企業とするならば、コレはベンチャーならではのメリット(というかリスクを持って働いたことに対するプレミアム)です。 
 ちなみに私の知り合いの某ソーシャルゲーム企業に長年勤務している方は、ストック・オプションを付与されたお陰で28歳で都内に新築のマンションを購入しております。やれやれ。



④大企業と違ってくだらないしがらみや日本的な悪しき商慣習に惑わされることがない

 ここはノマド系ブロガーやたまに勘違いしている大学生などでも散見されるのですが、素晴らしいベンチャーほど大企業とのやり取りも非常に巧みです。悪しき商慣習は確かにあれど、その清濁を合わせ呑んで価値観の違いも受け入れていく会社が「日本では」生き残っていくようなイメージがありますね。 もちろんテクノロジー系ゴリゴリのあなたは商慣習なんて気にせず突き進んでください。
 まぁベンチャーは基本的に若い会社なので、私個人としては日本的な”商い”を上手に持ち込んでくれて、かつベンチャー企業の開拓者精神が備わっている人、そんな人がjoinしてくれるのが理想的だと思いますね(営業・企画職の話だからね)。
 


⑤夢や目標に向かって純粋にひた走ることができる

 ここもよく大企業が誤解されがちなところだったりするんですが、ベンチャー企業がその会社の「創設」と時を同じくして「○○を○○に変える」といったフィロソフィーを立ち上げてそれに対して邁進していくわけですが、大企業は大企業でやっぱり世の中を良くしようとしている人がたくさんいます。エッジの利いた人も本当にたくさんいます。それは私が今までお付き合いしてきた色々な会社さんを見ているとそうなんですね。
 一途にプロダクトを良くしようとしている人もいれば、全く新しいチャレンジを企業の中でやろうとしている人達がいる。そういう意味で、あまりベンチャーには夢があって大企業にはないような風潮はどうかと思いますが、確かにそこに対する意思決定の迅速さだったり、有機的でスピード感あるチームプレイなんかはベンチャーに軍配が上がるのでしょうね。
 
 ただひとつ、上述の①にも絡んでくるのですが、大企業の仕事は「大きな仕事」が多いです。大きな仕事というのは「関わる人も、お金も大きい」です。関わる人も、お金も大きいと「決めるのにどうしても時間をかける部分が出てき」ます。 

 これをもって一概に「大企業は鈍重」「大企業は緊迫感がない」とぶった切ってしまうのは少しもったいない気がしていて、本当に浮沈の底にあるような改革が必要なタイミングでずぶずぶ意思決定を遅くして足の引っ張り合いを内部でしているとかは最悪ですが、お金と人を投資して本当にどデカい何かを数十人、数百人の関係者が絡む中で実現しようと悪戦苦闘することは、実は大企業でしか体験できないことだったりもします。

ちなみにエンジニアじゃない人が読むべき起業の本と言えばオススメなのはこちらなんですが、




まぁ、これ読むとやっぱりベンチャー起業というのはセクシーなイベントだなぁと思いますよね。「そこに一緒にいれるだけでも価値のあること」というのはやはり存在するのでしょう。

 
そんなこんなで、書いていてなかなか今まで流行したこのテのコラムとなんら変わりないなと反省しているわけなんですが、次回は大企業側の視点で書いていきたいと思います。

皆さんお楽しみに。

ミクシィの無料通話アプリが普及するのは難しい。

ミクシィ、無料通話アプリ参入へ SNS以外の事業拡大


 社長交代したミクシィが無料通話アプリをリリースするようです。
ミクシィといえば30代の私にとっては完全に大学時代の思い出の一つになってしまっているわけですが、 社長交代したことで色々と新しい取り組みを始めるようですね。

メッセンジャーアプリに関しては既に様々な企業がリリースをしており、ニュース報道も過熱しているのでここで敢えて色々とは書きませんが、今のタイミングでのメッセンジャーアプリは相当戦略を考えないと市場の一位をとることは難しいでしょうね。

DeNAのcommなどは昨年末に大規模なキャンペーンを実施しましたが、日本国内での普及具合は頭打ち感が出ていますし、やはり国内はLINEのパワーが圧倒的です。

GREEは実は国内ではなくまずは海外向けに「Tellit」というサービスをリリースしていて、アジアとヨーロッパの一部では人気が出てきているようですね。

元々こうしたメッセンジャーアプリはLINE以前にも、位置情報共有も目的としたカヤックの「ナカマップ」があったり、サイバーエージェントから「ally」がリリースされていますが、LINEの大逆転劇を経て今ではほとんど目立たないサービスとなってしまいました。

無料メッセンジャーアプリは確かに実際の友人を結びつけるサービスとしては強力ですが、そもそものサービスが知られるためのマーケティング費用もバカにならないですし、今からLINEと対等に戦うのは非常に厳しいと思います。

 元々LINEは2011年の夏くらいに5~60万人程度の会員数で推移していたところに、ベッキーのテレビCM効果で一気に1000万人クラスまで持っていった実績がありますが、一定の会員数が集まらないと収益性も高くないメッセンジャーアプリでテレビCMを打つという決断をしたのは当時の経営層のまさに英断だったわけですね。

 また彼らの強みは「徹底的にガラケーユーザーを意識した」というLINEの森川社長の言葉にもあるように、まさにミクシィが得意としていたガラケーユーザーを如何に取り込むかで大きくなったサービスなので、ここを引き剥がすのは容易なことではないでしょう。

 個人的にはそこに開発リソースを割くよりは、ネイティブアプリのゲーム開発等、コンテンツプロバイダーとしての方向に舵を切るほうが得策なのではと感じてしまうのですが。

ただ、僕には信じられませんが未だにミクシィのアクティブユーザーは1000万人を超えているらしく、地方にいくとヤンキーのお姉ちゃんなんかは皆ミクシィを使っているとも聞きます。 メッセンジャーアプリを普及させるためには、なにかこうしたコアなユーザー達に響くような機能があればニッチなサービスとして存在感を出すことができるかもしれませんね。











起業の学校 "Yコンビネーター" を読み終えて

"Yコンビネーター"を知っていますか?

聞きなれない方のためにご説明すると、「Yコンビネーター」とはアメリカのシリコンバレーを拠点にしているベンチャーキャピタルの名前です。

この時点でカタカナだらけで意味がわからないよキャシーさん、という人もいるかと思いますが、要はこういうことです。

「いいアイデアを思いついたぞ!僕はパソコンでプログラムも書けるし、これは良いビジネスになるはずだ!でも・・・会社を作るにはお金もかかるし、人を雇ったりオフィスを借りたりするのにもお金がかかるな・・今の僕の状態じゃとてもそんなお金払えない・・」

「ハイ!そんな時こそYコンビネーター!私たちは、あなたのように夢と野望を持っていてウェブサービスを作れる人に対して、必要なお金を投資するよ。もちろん、銀行と違って融資ではなく投資なので、失敗しないでも返さないでいいよ」

「え!そんな天使のような人がいるのか!じゃあ1億円ください」

「あのね、ただ簡単にお金ください、じゃダメなの。あなたが何を考えて、どうビジネスを伸ばしていこうと考えていて、誰とそれをやるのか、とか。きちんとビジネスプランを見せてくれなきゃダメよ」

「分かりました!今すぐ事業計画書を作ります!!」


相当色々な部分を端折って書いていますが、要はこういうことです。
Googleもfacebookも、今では世界中で知らない人がいないくらい大きな組織になりましたが、元々立ち上げの時には同じような問題に直面して、ベンチャーキャピタルからの支援を仰いでいました。



さて、そこでYコンビネーターですが、どういうところが特徴的なのか?というと、

・投資としては極めて少額の融資(300~1000万円ほど)を
・20代前半の若い起業家たち中心に投資を行なって
・3ヶ月間のあいだ、開発のフィードバックを週に1度行い、
・時にはビジネスモデルの転換やアドバイスも綿密に行い、
・3ヶ月後の「デモ・デイ」と言われる試作品発表会を開いてくれる

というベンチャーキャピタルなのです。

ここまである意味「学校」のようにシステマチックになったベンチャーキャピタルはこのYコンビネーターが先駆けで、日本ではサムライ・インキュベートなどが同じように若い起業家たちに少額融資をするので有名です。

3ヶ月間の開発の苦節を乗り越えて、若者たちは「デモ・デイ」に参加するのですが、そこにはYコンビネーターのつながりであのGoogleやfacebookに投資をした有名な投資家たちが一同に集まります。

・お金も何もないけれど夢だけはある若手起業家が
・Yコンビネーターから小額の融資を受けて3ヶ月間必死にサービスを作り
・そして「デモ・デイ」では更に有名なベンチャーキャピタルから数億円〜数十億円の出資を受けて
・あれよという間に世界中で誰もが使うようなサービスに!

というのがYコンビネーターを通じた「シリコンバレー・ドリーム」となっているわけです。

日本でも多くの人が使っている「Dropbox」というオンラインストレージサービスや、「Air BnB」という、自宅を留守中に他の人に宿泊施設として貸し出してしまおう!といった世界で爆発的に成長している(日本はまだまだだけどね)サービスも、元々はYコンビネーターの卒業生なのです。

シリコンバレーには、こうして起業家と投資家が次のGoogle,facebookを生み出す独特のエコサイクルが発達しているわけです。

ただ個人的には、これまでのようなYコンビネータースタイルはあくまでも「ウェブサービスを短期間につくり上げる」という前提があっての出資スタイルなわけです。
あくまでも感想ですが、これから本当に大きなネット上での変革が起きづらい(検索→ソーシャル、ときて、その次が何なのかが非常に読めない・・)時代においては、たとえばGoogle Glassのようなハードウェアとインターネットの融合したプロダクトが新しい革命を起こすかもしれません。

そういう意味では、初期の開発費用や資源を考えると、Yコンビネーターのような小粒な投資ではなかなか「世界を変える」様なベンチャーは今後出てきづらいのでは?(事実、Yコンビネーターの卒業生がGoogleやYahoo!、Microsoftなど大手IT企業に買収される事例は少なくありません)と思ってしまいます。

もちろん大手の企業に買収されるだけでもすごいことではあるのですが、今後ウェブサービス「だけ」では次の革命が起きない時代に突入するのだとすれば、Yコンビネーターはどこへ向かうのか?非常に興味は尽きません。










2013年5月18日土曜日

大手広告代理店のお給料事情

世の中では電博を中心に「広告業界は高給取り」のイメージが強いですね。
ところが最近ではその事情もだいぶ変わってきたようです。

バブル時代を謳歌して、2000年代の初頭までは確かに給料が高かった広告代理店。

よく「電通は30歳で1000万円」「博報堂は30歳で800万円」などと言われていたものですが、最近では広告業界の市場低迷によって、電通でも30歳で800万円台。博報堂でも6,700万円台というのが現実らしいです。

電通に勤める20代の私の知り合いも最近「給料が高いって言われてたのは今40歳以上の人達までで、俺達の年代は業務量が大変な割にほんとにこのまま伸びるのかなって思うよ・・。同じくらいもらっていて、帰りが早い会社とかは他にいくらでもあるんだよな・・」とボヤいていました。


理由はいくつかあると思いますが、


1.クライアントの予算配分が利益率の低いネット広告や、自社メディア開発などに割り振られるようになり、代理店の利益率が低下している。

2.国内の消費市場の飽和によって、クライアントが海外進出に資金を割いている(ただし広告は現地代理店に任せるために、日本の代理店には仕事がこない)。


1に関して、まさに最近では、インターネット広告が2012年には電通調べで8680億円、新聞広告の6242億円をとうにリードしてしまいました。大体、広告代理店がクライアントから徴収する手数料は新聞で20%、インターネット広告で15%と言われていますが、

例えば100万円の出稿をクライアントからうけた場合、単純に新聞であれば20万円儲かっていたところが、インターネット広告では15万円しか儲からなくなる。

しかも新聞広告の場合は原稿を一度新聞社に送ってしまえば掲載で終わり、だったところが、インターネット広告の場合はバナーを作って入稿してからもチューニングを続けたり、その後のレポートを出したりと、利益率が低い割に、作業量が非常に多くなるんですね。これによって利益率が低下してしまうわけです。


2の理由については、特に電通、博報堂が得意とする「有名クリエイターを起用した大型のマス広告キャンペーン」というのは、「日本」という地理に根ざした文化を知っているからこそ、優位性を発揮できる仕事でした。

日本人が面白い、と思うツボ。 日本人がこのCM素敵だね、と思うツボ。

日本人から共感を得るための広告を「日本人が作る」ことで強みを発揮してきたのがこれまででしたが、例えばある自動車会社がインドで低価格の車を新発売した時、やっぱり彼らに響く面白くて心に通るような広告を作れるのは同じインドの人だったりする(もちろん、グローバルで活躍するクリエイターはたくさんいます)のが現実なのですね。

なので、クライアントの企業規模自体が大きくなっても、なかなか電通・博報堂には仕事がこないような構造。加えて日本のマーケットは縮小したり停滞している業界もあるので、益々売上・利益が低くなってしまうのです。

電通・博報堂が高給と言われてきて、なかなか厳しい時代を迎えていることがおわかりいただけますでしょうか。

もちろん、他の上場企業に比べれば彼らがまだまだ高給取りなのは事実ですが、ここ数年の上げ下げの幅をみてみると、楽天やサイバーエージェントといった会社が確実に平均年収を伸ばしているのに対して、電通・博報堂は下がり続ける一方・・・。

今後はインターネット企業が電通・博報堂に取ってかわる高給企業となる時代がくるのかもしれませんね。