2013年5月19日日曜日

ベンチャーでできること、大企業でできること1

こんばんは皆さんキャシーです。
明日からまた月曜日ですね。カーペンターズは「雨と日の月曜日は憂鬱」という歌をうたいましたが、まぁとりあえず雨が降らなそうなだけヨシとしておきましょう。

 さて、先日友人と話していて盛り上がった話題があったのですが、「若いうちからベンチャーで働いたほうが良いのか?はたまた大企業に就職したほうが良いのか?」というよくある議論です。
 
 キャシー自身も学生から相談を受けた時に「ベンチャーと大企業、どっちがいいですか?」とかって聞かれて、真っ当な人間なら迷わず「いや、ベンチャーも大企業も、行きたい方に行けば?人に聞くなよーってば。」とか言えばいいんですが、一応相談されている身としては(特にその相談相手があくまでも従業員としての目線から考えていて、起業家になるほどの才覚がなさそうな人間の場合は)親身に答えてあげなければと思ってしまうんですね。

 ということで、ここでは敢えて「起業したほうがよいのか?」という言い方はしません。どんな規模の企業であれ、従業員であることの延長線上に経営者という「職種」はないという私の持論からです。
 
 会社を経営していくために(しかもそれが成功していると思われるような会社)必要な知識と、経験と、度量は従業員のそれとは一線を画すという考えから、ここではベンチャーに「就職」することと大企業に「就職」することについて書きたいと思います。
 起業したいという方はおおいにされるとよろしいと思います。本当は全ての答えはそこにあるような気もするのですが・・。

 
 さて、脇道にそれましたが、「若いうちからベンチャーで働いた方がよいのか?」「大企業で働いたほうがいいのか?」についてですが、ネット上ではあまりにそれぞれのポジショントーク、特にベンチャー界隈の方々からの声が大きいので、個人的には中立的な立場だと思っている私がその辺整理してみたいと思います。
 ちなみに、職種はすべて営業や企画などの部門がキモになる企業に入った際に限った話だと思ってください。テクノロジーにめちゃくちゃエッジが利いている、イーロン・マスクのテスラだったり未来の食糧危機を救うユーグレナみたいなvisionaryなベンチャーに入った人間はそのまま突っ走ってください。 

 Googleのエリック・シュミットも言っています、「宇宙船が目の前に現れたら、乗ろうかどうしようかなどと考えてはいけない。まずは乗ってみる事だ。」


 さてさて、脇道にそれてばっかりですが、あなたがいわゆる日本の「ベンチャー企業」もしくは「大企業」と言われる会社に入って、営業・企画系の職種に配属になった際に双方に言われることを並べてみました。



〜ベンチャーで働いたほうが良い理由よくあるTOP5〜 

①若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる
②会社の成長を肌を持って感じられる
③ストック・オプションを与えられることで、もし会社が成功した場合は経済的な見返りが見込める
④大企業と違ってくだらないしがらみや日本的な悪しき商慣習に惑わされることがない
⑤夢や目標に向かってひた走ることができる


よく上に書いたようなことが言われると思うんですよね。で、ひとつひとつ見ていきたいんですけど、


①若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる

 これに関してはその通りだと思いますね。ただベンチャー企業で「責任ある仕事」って、あくまでも「ベンチャー企業の規模の中での責任ある仕事」であって、世間に与えるインパクトはなかなかどうして小さかったりする。 責任があるということは少人数でやっている仕事ということであって、必ずしも「大きな仕事」ではない場合があるのですね。それでも「責任」という2文字を享受できる分、成長は早いのかもしれません。もちろんここで言うのは一般論であって、例外は腐るほどあります。腐るほどあっちゃダメじゃん。


②会社の成長を肌を持って感じられる

 これも個人の人格形成に大きな影響を与えると思うのですが、例えば前に書いた広告代理店なんて、これまではほとんどが「前年比90%」「前年比87%」みたいな世界なわけですよ。それは家電業界も同じだと思うんですけど。でもお給料はもらえてしまうわけなんですね、大企業って。若い時期から「負けグセ」がつくのは私は個人的には非常によくないと思っている。負けグセがつくと「まぁ、こんなもんだよね。」とか「やってもしょうがない。」っていう感覚が本人の意識しないところで根付いてしまうものだと思うので。そのネガティブインパクトはその後のキャリア形成にあたって大きな影響になると思っている。なので、ベンチャーで売上がどんどん上がっている間は「勝ちパターン」を体感できる、かつ、自分が果たした役割が大きいということで、順調なうちはベンチャーの方が確かに良いと思いますね。


③ストック・オプションを与えられることで、もし会社が成功した場合は経済的な見返りが見込める

 良心的な会社であれば、ベンチャー初期で給料を上げるのが難しいうちはストック・オプションという形で従業員を労ってくれるはず。ちなみにストック・オプションとは「新株予約権」と言いまして、未来の株を現在の値段で買える権利のことです。 めっちゃシンプルに言うと、「2年後に1億円になったモノがあったとして、あなただけ1万円で買っていいですよ」っていう権利ですね。すごいですね。買ってからすぐ売っちゃえば9999万円の儲けになるってことです。うわすげーシンプル適当すぎる説明。
 まぁ、億万長者を狙うのであれば、ガンガンベンチャーで働くってのはアリかなと。大企業の定義を上場企業とするならば、コレはベンチャーならではのメリット(というかリスクを持って働いたことに対するプレミアム)です。 
 ちなみに私の知り合いの某ソーシャルゲーム企業に長年勤務している方は、ストック・オプションを付与されたお陰で28歳で都内に新築のマンションを購入しております。やれやれ。



④大企業と違ってくだらないしがらみや日本的な悪しき商慣習に惑わされることがない

 ここはノマド系ブロガーやたまに勘違いしている大学生などでも散見されるのですが、素晴らしいベンチャーほど大企業とのやり取りも非常に巧みです。悪しき商慣習は確かにあれど、その清濁を合わせ呑んで価値観の違いも受け入れていく会社が「日本では」生き残っていくようなイメージがありますね。 もちろんテクノロジー系ゴリゴリのあなたは商慣習なんて気にせず突き進んでください。
 まぁベンチャーは基本的に若い会社なので、私個人としては日本的な”商い”を上手に持ち込んでくれて、かつベンチャー企業の開拓者精神が備わっている人、そんな人がjoinしてくれるのが理想的だと思いますね(営業・企画職の話だからね)。
 


⑤夢や目標に向かって純粋にひた走ることができる

 ここもよく大企業が誤解されがちなところだったりするんですが、ベンチャー企業がその会社の「創設」と時を同じくして「○○を○○に変える」といったフィロソフィーを立ち上げてそれに対して邁進していくわけですが、大企業は大企業でやっぱり世の中を良くしようとしている人がたくさんいます。エッジの利いた人も本当にたくさんいます。それは私が今までお付き合いしてきた色々な会社さんを見ているとそうなんですね。
 一途にプロダクトを良くしようとしている人もいれば、全く新しいチャレンジを企業の中でやろうとしている人達がいる。そういう意味で、あまりベンチャーには夢があって大企業にはないような風潮はどうかと思いますが、確かにそこに対する意思決定の迅速さだったり、有機的でスピード感あるチームプレイなんかはベンチャーに軍配が上がるのでしょうね。
 
 ただひとつ、上述の①にも絡んでくるのですが、大企業の仕事は「大きな仕事」が多いです。大きな仕事というのは「関わる人も、お金も大きい」です。関わる人も、お金も大きいと「決めるのにどうしても時間をかける部分が出てき」ます。 

 これをもって一概に「大企業は鈍重」「大企業は緊迫感がない」とぶった切ってしまうのは少しもったいない気がしていて、本当に浮沈の底にあるような改革が必要なタイミングでずぶずぶ意思決定を遅くして足の引っ張り合いを内部でしているとかは最悪ですが、お金と人を投資して本当にどデカい何かを数十人、数百人の関係者が絡む中で実現しようと悪戦苦闘することは、実は大企業でしか体験できないことだったりもします。

ちなみにエンジニアじゃない人が読むべき起業の本と言えばオススメなのはこちらなんですが、




まぁ、これ読むとやっぱりベンチャー起業というのはセクシーなイベントだなぁと思いますよね。「そこに一緒にいれるだけでも価値のあること」というのはやはり存在するのでしょう。

 
そんなこんなで、書いていてなかなか今まで流行したこのテのコラムとなんら変わりないなと反省しているわけなんですが、次回は大企業側の視点で書いていきたいと思います。

皆さんお楽しみに。

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