2013年5月22日水曜日

統計学が最強って言ってもそれは「学問」の世界での話だからね。

どうもキャシーです。いよいよ最近、「夏になりまっせ!」と太陽から呼びかけられているような気がするくらい気温が上がって来ましたね。脇汗でシャツを湿らしているおじさん達もちらほら。

さて、今日私が書きたいのは「マーケティングがプロダクトより”前”にきてはいけない」っていうことです。

どういうことかというと、自社が作ってるサービスの

 ・面白さ
 ・そもそもの中身
 ・作ってる人達自身が良いと思っているか

を突き詰める前から、

 ・世に出たらどうやって売ろうか
 ・どこが儲かるポイントか
 ・前回ローンチしたやつはこうだったから今回はこうなるんじゃないか

というのを前提に話を始めてしまってはイカンのではないかということです。


「いや、そもそもマーケティングできるのはプロダクトがあるからなのであって、マーケティングが前に来るっておかしくないか?」


というのは至極当然な疑問なのですが、何故私がこのことを今書いているかというと、

「売上・営業利益は○半期連続で下降を続けながら、なぜか広告宣伝費に関しては横ばいか微増」

という企業が意外なほど多く、その企業の多くが好調子だった時代のマーケティング手法を脱却出来ずに、マーケティングではないそもそものプロダクトに問題が出始めていることに気づいていないのでは?という例が多いのです。


さて、ここでアメリカの実業家ジョン・ワナメーカーの言った

「広告費の半分は無駄ということはわかっている。問題は、どっちの半分が無駄なのかがわからないことだ。」

という言葉が思い出されるわけですが、特にマス広告の役割については

・ニーズが生まれているところにさらに燃料を投下してその勢いを加速させる


場合と、

・ニーズがないもしくは減少しているところに燃料投下をして、認知を拡大して需要を計る


という2つのパターンが大きく有ると思うのですが、前者は大体好業績に任せてどんどん広告費も上がっていくものなのですが、問題は後者の時。

前者のパターンで勝ち続けている企業が急に後者のフェーズに入ると、当の本人たちは

「あれ?おかしいぞ?これだけ広告費投下してるのに前ほど売上あがらないぞ?」

というところから始まり、

「競合が出してるからかな?競合を調べてみよう!うん、やっぱり競合も結構出しているな。負けないようにもっと広告費投下しよう!」

とどんどん売上が下がっているのに広告費だけが増加していき、利益も圧迫してくる。


新陳代謝の激しい業界ほどこういう減少は起こりやすいのですが、原因はもっと違うところにあったりするのが世の常で、その原因とは


”ユーザーが、そのサービス・商品をもう求めなくなっている”


というところにあったりするのですね。


成功していた企業は

「そんなはずはない、何か間違っているだけで、ちょっとまた似たようなサービス・商品を開発すればユーザーは前と同じように戻ってくるはずだ!もっと広告をしろ!ユーザー分析をしろ!競合との違いを洗い出せ!!」

と必死に外に原因を求めだすわけですが、なんのことはない、売上低迷の本当の原因は実は「内部」にあるということは往々にしてあるわけです。

この「内部」は必ずしも組織が怠惰になった、社員のモチベーションが低下している、といったことではなく、むしろ社員は血気盛んで情熱に燃えて良いものを作ろう!としている時に結果が伴わなくなってくることがあるわけです。 純粋な「市場の変化」が起きている、ということです。

その変化にうまく対応できる会社は、プロダクト自体を徹底的に見直します。


ユーザーが「今」求めているものはどんなサービスなのか?

もしかしたら自社のサービス・商品は時代遅れでダサいひどいものなんじゃないのか?

自分がフラットな目線でサービス・商品を利用してみた時に昔ほど良い!と思えるのか?


そんなことをいちから考えなくてはいけません。



かなり長くなりましたが、マーケティングがプロダクトより”前”にきてはいけない、という題名に戻りますと、マーケティングがその時点で強くなりすぎていると、原因をすべて「定量的なもの」に求めがちです。


「統計学が最強の学問である」という本が売れていますが、最強なのはあくまでも「学問の世界」の出来事であって、ビジネスの世界では統計学は最強でもなんでもありません。


あまりにマーケティング的な定量的分析に陥ると、

「定量的な分析とは全然関係ないところでの、”そもそもユーザーが面白く無いと思っている””イメージがダサい”と思っているから離れている」

といった超シンプルで、でも超強力で、「どう逆立ちしても定量化できない問題点」がボヤかされたりしてしまうわけです。


ここで変われない企業のことを経営学ではよく「イノベーションのジレンマ」などと言うわけです、このイノベーションのジレンマが本当に怖いのは「当の本人が過去の成功体験に縛られすぎていて、ジレンマに陥っていることに気づいていない」というところにあると思います。


まぁ私は、これは企業だけではなく個人でも当てはまると思いますが、
長くなってきたので今日はこのへんで・・・。













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